菊池桃子 恩人である作曲家との心の溝

今年、歌手レビュー40周年を迎えた菊池桃子さんが恩人である作曲家と予期せぬトラブルを抱えているようで、その経緯とお2人の今までの道のりについてまとめてみました。

目次
1  トラブルの始まり
2  度重なる非礼
3  菊池桃子さん側の言い分
4  菊池桃子と林哲司の出会い
5  デビュー40周年ー「愛を贈る」をテーマに楽曲制作
6  まとめ

1  トラブルの始まり

今から2年ほど前、新曲を出したいと思った菊池桃子さんが、作曲を依頼したことが事の始まりだったようです。作曲家である林哲司さんは『桃ちゃんのためならやるよ』と快諾。林さんは作詞を、以前菊池の楽曲で組んだことのある2人の作詞家に依頼。しかし、菊池が『自分で書きたい』と希望

その後いくら待っても詞が届かず、最終的に『やっぱりできません』と言われたため、再度作詞家たちに依頼するという結果になってしまった。

こういう経緯があったものの22年7月、アイドル時代の曲に加えて35年ぶりのタッグで作った新曲2曲を収録したアルバム『Shadow』をリリースした。
23年10月には2人でNHK『うたコン』にも出演。

2 度重なる非礼

菊池は40周年事業でも林にプロデュースを依頼。新曲3曲から成るEPの制作を林に頼んでおきながら、林が携わったのは菊池が作詞・作曲した「Starry Sky」という1曲の編集のみという結果になった。ほかは菊池の個人事務所社長がお気に入りだというロックバンド『androp』の内澤崇仁とストレイテナーのホリエアツシとコラボし、初EPとなる「Eternal Harmony」をリリースした。
その後5月3日に品川の教会で行われた40周年記念コンサートも途中で降ろされる形になり、レコード会社を介して『当日も来なくて結構です』と断られた。ここで、さすがの林氏も堪忍袋の緒が切れたと言う。

3 菊池桃子さん側の言い分


菊池側は「事実と異なる」とした上で、次のような概要を文書で回答
●(22年の新曲について)菊池本人が作詞したいという意向を伝えたのは事実ですが、林先生と話し合った上でレコーディング日数の都合で、当初の予定通りプロの作詞家の方にお願いしました。菊池ができませんと断ったことはありません。
●(今年出したアルバムについて)企画段階でレコード会社から林先生にプロデュースを
打診したことは事実ですが、話し合う中で、菊池ではなく林先生の方から菊池がプロデュースをすると言う提案がありました
●ベストアルバムのクレジットの件は「レコード会社の製作判断です」とし、林氏が「二度と関りたくない」と話していることについてはこう答えた。 「菊池は『
林哲司氏は自身の歌手活動において最も大切な先生である』と考えています。関係者一同、アルバムの制作過程で林先生も含め意見の相違から議論になることもありますが、林先生への感謝やご恩を忘れたことはありません」  

 


4 菊池桃子と林哲司の出会い

初めて菊池が林と会ったのは、都内のレコーディングスタジオ。当時の林は杉山清貴&オメガトライブを手がけており、その現場に高校生だった菊池が訪れたことがすべての始まりだった。

林:制服姿の菊池桃子さんが現れたときは、正直驚きました。けなげかつ清楚な感じで、「えー、これからデビュー? ちょっと芸能界に入れたくないな」と思いました

菊池:覚えてますよ。電車を乗り継いで、「(無事に)目的地まで着けるのかな?」って。スタジオのなかではオメガトライブの音楽が流れていて、中学生の自分には刺激的すぎました。仲間に入れてもらえることが本当に嬉しかったです。

当時、作家のなかではトータルの売上枚数でトップを誇るなど多忙を極めていた林。意外にもアイドルソングを手がけるのは菊池が初めてだったという。

林:もともとギラギラしたものやウェットなものは苦手で(笑)、最初にお会いしたときに菊池桃子さんが醸し出していた「清楚でけなげな雰囲気」というものが、そのままぼくのつくり出す音楽へと変わっていった気がします

「清楚でけなげ」なアイドル菊池桃子は、決して「つくられた虚構の存在」ではない。デビュー前の菊池の姿を見た、林の「リアルな第一印象」からスタートしているし、その後の作品も決して「お仕着せ」ではなく、二人のコラボレーションによってつくり上げられた「表現」であったことが、今回の対談を聞くとよくわかる。

林:正直、35年以上前の作品にまたスポットが当たるとは本当に思いませんでした。自分自身が好きになれると思って書いてきた楽曲を、桃子さんに歌ってもらって一つの作品としてリリースしてきて。例えば、自分のキャリアにおけるベストアルバムをつくったときに菊池桃子作品は間違いなくたくさん入ってくると思うのですが、今回それが、こういうかたちで実現できたことは一つの喜びです。

35年経って、また(彼女と)同じ仕事場にいられることも幸せですし、新しい作品を生み出せたことも幸せですし、それを聴いてくださる方がたくさんいらっしゃるということも、作家として嬉しい限りです。

最後に菊池は「今後の展望」について、このように語っている。

菊池:今回新曲をレコーディングさせていただいて、あらためて音楽が好きだと実感しました。また歌う機会が続いていくといいなと思います。

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菊池桃子が林哲司とレコーディングした新曲と過去の名曲を収録したコンセプトアルバム『Shadow』について語る

4 デビュー40周年ー「愛を贈る」をテーマに楽曲制作

完全セルフプロデュースとなった今作。10年一区切りとして考えた時、「40」という数字は想像以上に長く、重く感じた。

「ネガティブな意味ではなくて、『果たして、次の10年はあるのかな?』と考えました。人間は(限りある)命ある者。だから、きちんと作品として形に残しておくことが大切だと考えるようになったんです。これは、30周年の時にはなかった心境です。自分が出せる最大限の全力を、今まで以上に出したいという気持ちになりました

お世話になった人たちへの感謝を込めて、「愛を贈る」をテーマに楽曲制作。「年代に関係なく、尊敬する才能に導いてほしい」という理由から、内澤、ホリエの2人に依頼。それぞれから「もうすぐ0時」「星の蜃気楼」の楽曲提供を受けた。「Starry Sky」では自ら作詞・作曲し、デビュー曲「青春のいじわる」を作曲・編曲した林氏に編曲を依頼した。

「普段、林先生がアレンジだけを引き受けてくださることはないのですが、『40周年をお祝いしたいから』って快く引き受けてくださって。ご自身のメロディーじゃないから一度、体の中に入れる(作業をする)んですが、それが大変みたいで。長い間支えてくださり、ありがたい気持ちでいっぱいです。内澤さんも、ホリエさんも言葉のやり取りがしやすくて。相性がいいと言いますか、この出会いに感謝しています」

デビュー40周年・菊池桃子「音楽は自分に欠かせないもの」、林哲司氏との共同制作で実感「伸びしろあるかも」 - スポーツ報知
女優で歌手の菊池桃子(56)がデビュー40周年を迎えた。4月に完全セルフプロデュースの初EP「Eternal Harmony」をリリースし、andropの内澤崇仁、ストレイテナーのホリエアツシとコラ

5 まとめ

個人的にデビュー当時から大好きだった菊池桃子さん。林氏が初めての出会いの際に感じられたように、ホントに清楚で健気(けなげ)!周りをほわっと包み込むような優しい笑顔と雰囲気に一目でファンになった私でした。私生活では様々なことに遭遇しながらもたおやかに美しく、時にこけながらも桃子流で軽やかに歩まれている姿に励まされていました。
今回、40周年を迎えられるにあたり、恩人である作曲家林哲司先生との間に心の溝が生まれた経緯を読み、自分のことのように胸が痛みます。感謝している方との心の擦れ違いは、辛く寂しいものです。時を戻せたらと願っても無理なこととは知りつつ“たられば”を思ってしまいます。自分が不誠実でなかったか、相手に優しさを求め甘えていなかったか…冷静に自分を見つめ直し、時が解決してくれるのを待つよりほかないのかもしれません。ただ、自分が今できる最善のことをして、待ちましょう。良い方向に帆が進むことを心より祈ります。

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